作成者の入力した金額により進むべき経路が変わるモデルの作成方法をご紹介します。
分岐を実現する方法
モデルの作成
経路の設定
入力フォームの作成
分岐を実現する方法
物品購入申請などでは、申請者が入力した金額により、承認・決裁する上長が異なる場合があります。
下の図では、金額が 50,000 円以上の場合は部長が承認、50,000 円未満の場合は課長が承認し決裁されます。
Gluegent Flow では課長承認・部長承認の経路はそのままに、入力された金額により課長承認か部長承認かを判定し、進むべき経路を切り替えます。
今回は、作成者から購入申請が作成され、金額により課長承認か部長承認かを判定し、決裁処理を行う経路を設定します。
注意:
課長承認、部長承認の経路にはロールを使用することを想定していますが、この記事では分岐を使うことが目的のため、それぞれの経路の担当者を直接指定します。
モデルの作成
モデルを新規作成します。任意の名前を設定します。
モデルの作成方法についてはこちらをご覧ください。
経路の設定
今回の経路は「申請」「課長承認待ち」「部長承認待ち」「決裁待ち」があります。これらの経路をそれぞれ設定していきます。尚、ここでは「課長承認待ち」「部長承認待ち」の対象者は「申請者」を指定します。
2つ目の経路の名前を「課長承認待ち」に変更します。
「担当者設定」をクリックします。担当者を「作成者」にします。
2つ目の経路(課長承認待ち)をコピーします。2つ目の経路を選択しコピーアイコンをクリックします。
4つ目に作成されるので、「∧」をクリックし、3つ目に移動します。
3つ目の経路の名前を「部長承認待ち」とします。
「担当者設定」をクリックします。このマニュアルでは、経路の分岐・進み方を確認するので、担当者は「作成者」にします。
(他の経路も全て、同様に担当者を「作成者」にします。)
続いてそれぞれの経路の実行可能な処理とボタン表示切替を設定します。
「申請」の経路をクリックします。
「実行可能な処理(ボタン)」をクリックし、「申請」を選択した状態で編集アイコンをクリックします。
名前を「申請(課長承認)」に変更し、「OK」をクリックします。
「ボタン表示切替」をクリックします。「申請(課長承認)」の「表示・非表示を切り替える」を選択します。
ここに以下のスクリプトを入力します。
if (${金額} < 50000) {
return true;
}
return false;
この設定により、「金額」が50000より小さい場合に「申請(課長承認)」のボタンが表示され、50000以上の場合は非表示になります。
注意:
スクリプトの詳細は JavaScript の入門書や Web サイトをご参照ください。
「実行可能な処理(ボタン)」の「+」アイコンをクリックします。
名前に「申請(部長承認)」と入力します。「遷移先の経路を選択する」のチェックをオンにします。遷移先の経路が表示されるので「部長承認待ち」を選択します。「OK」をクリックします。
「実行可能な処理(ボタン)」に「申請(部長承認)」が作成されます。「∧」をクリックして上に移動します。
「ボタン表示切替」にて「申請(部長承認)」の「表示・非表示を切り替える」を選択します。
ここに以下のスクリプトを入力します。
if (${金額} >= 50000) {
return true;
}
return false;
この設定により、「金額」が50000以上の場合に「申請(部長承認)」のボタンが表示され、50000未満の場合は非表示になります。
3つ目の経路「部長承認待ち」をクリックします。「実行可能な処理(ボタン)」をクリックし、「差し戻し」をクリックします。編集アイコンをクリックします。
「遷移先の経路を選択する」のチェックをオンにします。遷移先の経路が表示されるので「申請」を選択します。「OK」をクリックします。前に戻ると承認していない課長のところに戻る恐れがあるためです。
4つ目の経路「決裁待ち」をクリックします。「実行可能な処理(ボタン)」をクリックし、「承認者へ差し戻し」をクリックします。ごみ箱アイコンをクリックします。前に戻ると承認していない部長のところに戻る恐れがあるためです。「承認者へ差し戻し」の処理が必要な場合は「申請(課長承認)」「申請(部長承認)」同様にボタン表示切替の設定が必要です。
「OK」をクリックします。
入力フォームの作成
入力フォームを作成し、以下の設定を行います。
タイプ:単行テキスト
名前:購入品名
タイプ:数値
名前:金額
タイプ:複数行テキスト
名前:購入理由
ここで作成した「金額」が前述の「申請」の経路の「ボタン表示切替」に影響しています。金額の値が「〜49999」の場合「申請(課長承認)」のボタンが表示されます。「50000〜」の場合「申請(部長承認)」のボタンが表示されます。
「決裁待ち」の「承認者へ差し戻し」を削除しましたが、もしこの処理を使用する場合、「申請」同様、「ボタン表示切替」を設定する必要があります。これは、申請→課長承認→決裁→部長承認へ差し戻しという経路にならないようにするためです。
情報:
スクリプトを工夫することにより複雑な条件指定や分岐が可能です。詳しくはモデル編集 経路_ボタンの設定をご参照ください。
※本記事の画面キャプチャーおよび動画の内容は2023 年 6 月時点のものです。