作成者の所属する部署(部門・配属先)により承認者が自動的に割り当てられるモデルの作成方法をご紹介します。
情報:
グループ・メンバーの設定は Google Workspace で説明していますが、Microsoft 365 / Gluegent Flow Plus も基本的な考え方は同じです。
ロールの考え方
ロールの作成
基本情報の設定
経路の設定
入力フォームの設定
ロールを設定するときのポイント
ロールの考え方
グループの作成とメンバーの追加
ロールをご利用いただくには、まず、Gluegent Flow をお使いいただいている企業の組織情報を Gluegent Flow に適用する必要があります。
Gluegent Flow では組織構造をグループで表現しています。
例えば、下記の図のような組織構造を表現するためには、「全社」「営業部」「人事部」「営業1課」「営業2課」グループをそれぞれ作成します。
さらに「全社」グループのメンバーに「営業部」「人事部」グループを追加します。また「営業部」グループのメンバーに「営業1課」「営業2課」グループを追加します。
各グループにはユーザーもメンバーに追加します。
「営業1課」「営業2課」「人事部」にそれぞれメンバーとして任意のユーザーを追加します。「営業1課」「営業2課」には「課長」に当たるユーザーを追加します。
情報:
グループの作成方法・メンバーの追加方法は各サービスのヘルプをご参照ください。組織ツリーの考え方については「組織ツリーの作成」をご参照ください。
グループ、メンバーの設定完了後、Google Workspace / Microsoft 365 / Gluegent Gate の情報を Gluegent Flow に反映されるのはグループキャッシュ更新処理後です。
→グループキャッシュの更新
ロールの作成
各グループに「課長」という役割のユーザーが割り当てられています。これを「ロール」と呼んでいます。
上の図のように、「営業1課」の課長は Aさんです。同様に、「営業2課」の課長は Cさんです。
このように、各グループの上長は誰かを表すのがロールです。
ロールの情報を Gluegent Flow に登録します。
モデルにロールを設定する
ロールを作成したあとは、モデルの経路に作成したロールを適用します。
モデルにロールを設定することで、タスク作成者が所属するグループによって経路の担当者が自動的に設定されます。
もし、課長が変わった場合は、ロールを変更すればモデルを変更せずに新しい課長が担当者に設定されます。
ロールの作成
「課長」のロールを作ります。
Gluegent Flowにログインします。画面右上のギアアイコンをクリックし、「設定」をクリックします。
「モデル管理」をクリックし、「ロール管理」をクリックします。
「新規作成」をクリックします。
ロールの設定を入力する画面が表示されます。
まず、営業1課の「課長」を登録します。ロール名を入力、グループ、メンバーを選択後「OK」をクリックします。
作成されたロールが一覧に表示されます。
営業2課の「課長」も同様に登録します。ポイントはどちらも名前を「課長」に設定することです。
基本情報の設定
今回は「休暇申請」のモデルを作成します。モデルの作成方法についてはこちらをご覧ください。
今回作成する休暇申請は、作成者が申請し、上長に承認を得る流れとなります。上長が承認した後に人事担当者に遷移します。人事担当者は人事情報 (例えば有給の残数や欠勤時の給与計算など) の更新のみを行い、休暇申請そのものに対する意思決定は行いません。
モデルを新規作成します。任意の名前を設定します。
経路の設定
今回の経路は「申請」「課長の承認待ち」「人事の確認」があります。これをそれぞれ設定していきます。「上長の承認待ち」の対象者は、先ほど設定した「課長」のロールを指定します。対象者ではなく、ロール設定にて指定します。
2つ目の経路の名称を「課長の承認待ち」とします。
「担当者設定」をクリックします。担当者はそのままに、ロール設定に先ほど設定したロール「課長」を指定します。「課長」を選択し「+」をクリックします。
↓
続いて 3つ目の経路の編集を行います。
経路名を「確認待ち」に変更します。
「実行可能な処理(ボタン)」をクリックします。「決裁」の編集アイコンをクリックします。
名前を「決裁」から「確認」に変更し、「OK」をクリックします。
「差し戻し」「申請者へ差し戻し」「却下」を削除します。各項目を選択し、ゴミ箱アイコンをクリックします。
担当者設定をクリックします。この経路では誰が申請しても人事担当者が処理しますので、ロールは使いません。担当者の「対象者を追加」をクリックし、人事担当者(ユーザーやグループ)を選択します。
その結果、このような経路が完成します。
入力フォームの設定
休暇にはいくつかの種類があるので、それを選択可能な入力フォームを作ります。具体的には、以下の入力フォームを作成します。
- 休暇区分
(有給休暇(全)、有給休暇(半)、有給休暇(時)、特別休暇、欠勤から選択) - 休暇期間開始日
- 休暇期間開始時刻
- 休暇期間終了日
- 休暇期間終了時刻
- 申請理由
予め用意されている入力フォームのタイプを「中間ガイダンス」に変更します。
名前を「休暇の種類」とします。説明には、以下の様なテキストを入力します。
有給休暇(日単位、または時間単位)、特別休暇(忌引き等)、欠勤(有給休暇、特別休暇に該当しない休暇)のいずれかを選んでください。 |
これで、休暇区分の選択肢についての注釈が表示されるようになります。
入力フォームを追加する「+」をクリックします。
「単一チェック」の「+」をクリックします。追加後は「閉じる」をクリックします。
名前を「休暇区分」に変更します。
選択肢設定で「テキストで直接定義」を選択し、以下を入力します。
有給休暇(日単位) 有給休暇(時間単位) 特別休暇 欠勤 |
初期値設定で「有給休暇(日単位)」を選択します。
これで休暇区分を 1 つ選択する入力フォームが作成されます。
以下同様に入力フォームを追加します。
タイプ:中間ガイダンス
名前:休暇期間
説明:休暇期間を指定してください。
タイプ:日付
名前:休暇期間開始日
必須設定:チェックオン
タイプ:時刻
名前:休暇期間開始時刻
必須設定:チェックオン
休暇期間終了日、休暇期間終了時刻も同様に作成します。
タイプ:複数行テキスト
名前:申請理由
説明:休暇申請をする理由を書いてください。(通常の有給であれば、“私用”だけで結構です)
これで必要な入力項目が作成されました。
これで、休暇申請のためのモデルが完成しました。
プレビュー表示では課長承認の経路では担当者が割り当てられませんので、実際に営業1課、営業2課のユーザーそれぞれでタスクを作成してみて、正しい担当者が割り当てられることを確認してください。
ロールを設定するときのポイント
この記事ではロールの指定を簡単に「課長」としましたが、実運用ではより複雑なものになることが予想されます。
例えば課長承認→部長承認のように複数の経路でロールがそれぞれ必要になる場合があります。
各経路で承認する上長の肩書きが固定の場合、ロールの名前をそれぞれ「課長」「部長」とします。
例:総務部総務課の課長・営業部営業1課の課長など→「課長」
総務部の部長・人事部の部長など→「部長」
それぞれの経路の担当者設定で「課長」「部長」を選択します。
そうすることで作成者が所属する部署・グループにより作成者の上長に当たる課長・部長が自動的に選択されます。
また、各経路で承認する上長の肩書きが固定でない場合は、ロールの名前を「上長」に統一します。
例:総務部総務課の課長・営業部営業1課の課長・総務部の部長・人事部の部長など→「上長」
モデルの担当者設定>ロール設定では「直属のロールのみを対象」を選択し、「上長」を選択します。
そうすることで作成者が所属する部署・グループにより作成者の上長に当たるユーザーが自動的に選択されます。
上の例であれば、営業部営業1課に所属するユーザーが作成した時には課長が、人事部に所属するユーザーの場合は部長が自動的に選択されます。
ある経路では、どの部署のユーザーが申請しても必ず特定のユーザーが担当するという経路の場合は、ロールを使用しない方法を検討してください。
例えば、「総務部長承認待ち」という経路で、経路の担当者は営業部のユーザーが申請しても、開発部のユーザーが申請しても必ず総務部の部長が承認するというケースの場合は、「総務部長」というロールを作る方法もありますが、それよりは「総務部長」というグループを作り、そのグループを担当者に割り当てる方が適切です。
※本記事の画面キャプチャーおよび動画の内容は2023 年 6 月時点のものです。