運用開始後もモデルをメンテナンスする必要があります。
例えば、入力フォームが増えたり、減ったり、経路の順番が変わったりと、実際の運用に合わせてモデルを変えていくことが必要になります。
このときに、当時のモデルを作成した人ではなく、別の人がメンテナンスをすることになることも考慮しておくことが望ましいでしょう。
例:経路の分岐を使ったモデルをメンテナンスする場合
運用開始後にモデルをメンテナンスする時、特に経路の分岐や JavaScript を使った制御をしている複雑なモデルの場合、経路や表示の整合性等配慮する箇所が多くなりがちです。
特に稟議関係のモデルでは、申請金額や申請区分等の特定の条件で経路の分岐を行うことが多く、複雑なモデルとなりがちです。
そのようなモデルになりそうな場合、利用ユーザーの利便性や運用担当者の負担、モデルの引き継ぎの手間等を考慮しながら、次の 2 通りの方法を検討して下さい。
各方法について説明します。
方法1 経路の分岐パターン毎にモデルを作成
この方法は、今まで進めてこられた「初めての方(管理者編)」で紹介している基本的なモデルが作成できれば分岐を表現できます。またモデルの作成にはプログラミングの知識は必須ではなく、メンテナンスを行うときも分岐による整合性を考慮せずに行えます。
ただし、入力項目が増えるなどレイアウトに関するメンテナンスを行う場合、経路パターン別に分割した全てのモデルに対して修正を行う必要がありますので、修正の抜けがないよう注意しないといけません。
それではモデル作成方法について説明します。
【経路をつくり込む】‐経路を分岐させるでご紹介した「物品購入申請」を例に説明します。
先ず、全ての経路パターンで必要な入力フォームを配置し、経路以外の設定がなされた基本となる物品購入申請のモデルを作成します。
次に、基本の物品購入申請のモデルを経路分コピーします。
コピーしたモデル名は、「物品購入申請(部長決裁)」や「物品購入申請(取締役決裁)」のように経路がわかるように命名し、それぞれの承認経路となるよう経路設定を行います。
さらに、 10 万円未満や 100 万円以上など申請金額で経路が分かれている場合には、金額を入力する入力フォーム(数値)にそのモデルで申請できる金額の最小値や最大値を設定しておくことで、間違った金額で申請した時に自動でエラーを表示させることができ、申請者自身で申請モデルを選択し直すことができます。
方法2 JavaScriptを使用して1つのモデルで経路分岐
この方法は、JavaScriptで経路分岐を制御するため、メンテナンスを行う場合には1つのモデルを修正すればよいのですが、ある程度プログラミングの知識が必要となります。
モデルの運用について考えた場合、作成はできたとしてもしばらく経過した後に手を入れる場合、「スクリプトの記載内容を把握するのに時間がかかる」、また「人事異動等で引継ぎが発生した際にスクリプトについても正しく引き継ぎが行われないかもしれない」といった懸念が出てきます。
また、JavaScript による構築はサポート対象外となりますので、スクリプトにつてご質問があった場合にはお客様ご自身で調査/問題解決を行っていただく必要がある点もご留意ください。