はじめに
Googleより、JIIMA認証を取得したと2022年8月に発表がありました。
Google Cloud は、Google Workspace が公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(以下、JIIMA)が審査する「電子取引ソフト法的要件認証」 を取得し、電子取引ソフト法的要件認証製品一覧に登録が完了したことをお知らせいたします。
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JIIMA の審査を受けたマニュアルに沿って Google Workspace をご利用いただければ、国税庁がサンプルを提供する事務処理規定などを作成することなく、適切に電子データを保存することができるようになりました。
出典:Google Cloud、 Google Workspace の JIIMA 認証取得を完了
この発表に伴いましてGluegent Flow では、Googleドライブに文書を格納する際のご運用をサポートする機能をご用意いたしました。
- Gluegent Flow でのGoogleドライブの利用について、共有ドライブまで利用可能(2022年12月リリース)
- ファイルにラベルを適用した状態でGoogleドライブに格納する(2023年3月リリース)
この機能は電子帳簿保存法の為だけでなく、日々のご運用でもご活用いただける機能ですので、是非様々ご活用ください。
共有ドライブの利用は、Gluegent Flow からスプレッドシート等に出力されたデータを、部や課毎の共有ドライブにまとめたり、Gluegent Flow で使用する利用ユーザー選択やオーダーシートのデータ、さらにはモデルのレイアウトで使用するドキュメント等、Gluegent Flow 全体に関わる設定ファイルをまとめたりと、御社内での情報の整理や共有にお役立ちします。
またラベルの適用は、ドライブでのファイル検索がファイル名だけでなくラベルでの検索が可能になる為、ファイルが日付のFrom‐Toで検索でき、年度でファイルを確認したり、製品のバージョン(対応日付)で資料を探したりと検索性が向上します。
ここでは、電子帳簿保存法のどの要件について補助するのかご説明し、設定例をご紹介します。
注意:
電子帳簿保存法に対応するご運用をご検討する際は、必ずGoogle Workspace がJIIMA認証を取得したマニュアルをご確認ください。
Google Workspace の共有ドライブが利用可能な状態であることをご確認ください。Google Workspace のご契約プランによってはご利用出来ませんのでご注意ください。
Gluegent Flow はGoogle Workspace での電子帳簿保存法のご運用について、人の手を介するところを自動的に登録や情報付加を行う機能を提供しています。必ずGoogle Workspace と合わせたご運用をご検討ください。
Gluegent Flow が運用をサポートする要件とは
令和3年度の税制改正において「電子帳簿保存法」の改正等が行われ(令和4年1月1日施行)、帳簿書類を電子的に保存する際の手続等について見直しがなされました。
※詳しい電子帳簿等保存制度の内容については、国税庁のページに特設サイトがありますので、そちらをご確認ください。
電子帳簿等保存制度特設サイト
制度は3つの区分に分かれており、それぞれについて改正事項が発表されています。
出典:国税庁 改正に関するもの パンフレット(電子帳簿保存法が改正されました(R3.12改訂))
さらに、上記の制度区分「③電子取引」について、下記の保存要件があります。 出典:国税庁 改正に関するもの パンフレット(電子帳簿保存法が改正されました(R3.12改訂))
特に「可視性の要件 検索機能の確保」は、次の3つの条件で検索できる状態にしておく必要があります。
- 取引年月日
- 取引金額
- 取引先
出典:国税庁 制度に関するもの パンフレット(電子取引データの保存方法をご確認ください)
保存要件の「真実性の要件 ②と③」と「可視性の要件 検索機能の確保」について、GoogleがJIIMA認証を取得したマニュアルでは、Google Workspace の共有ドライブの利用とそのドライブに格納される文書について、ユーザー自ら手を動かして文書の格納や文書名の変更・ラベルの適用を行う運用を想定しています。
ですが、Gluegent Flow とGoogle Workspace が連携した運用では、その作業についてシステムが自動で行います。
自動で行えるようになると、ユーザーが共有ドライブを探す手間や格納場所の間違いがなくなり、文書名の揺らぎやラベルの付け忘れを防ぐことができます。
具体的には、Gluegent Flow の「共有ドライブの利用」と、自動処理「添付ファイルアップロード」、自動処理「ドライブラベルの適用」を活用することにより、自動的に文書の格納や文書名の変更・ラベルの適用を実現します。
設定概要
Gluegent Flow で文書に関してワークフローをまわし、承認や決裁が行われた際に自動処理を使ってGoogle Workspace へ連携します。イメージは以下の通りです。
- 営業担当(申請者)が「取引日」「金額」「取引先」の情報を入力し、文書を添付して申請します。
- 上長(承認者)が申請内容を確認し、承認処理を行います。
- 2の承認処理が行われたタイミングで自動処理にてGoogle Workspace の共有ドライブに添付文書を格納/文書名のリネーム/ラベルの適用 を行います。
- 必要に応じて経理担当が対象文書の検索/閲覧を行います。
詳細な設定例
1.ラベルの準備(Google Workspace でラベル作成)
Google ドライブのラベルにて、電子帳簿保存法に対応したラベルを作成します。
作成するラベル名は任意ですので、御社内でわかりやすい名称で作成して下さい。一度公開した後でもラベル名やフィールド名の変更は可能ですが、変更の際には利用者様へのご案内を必ず行っていただくことをお勧めします。
特にフィールド名は変更前の名称で検索が行えなくなりますので、設定間違いには十分にご注意ください。
はじめてGluegent Flow の「自動処理ドライブラベルの適用」をご利用する場合は、次のマニュアルの「OAuth スコープを許可する」の箇所をご確認いただき、該当するようでしたら記載されている設定を行ってください。
クラウドコンシェルジュ 自動処理ドライブラベルの適用
2.ラベルの準備(Gluegent Flow にラベル登録)
Google Workspace にてラベルを作成したら、Gluegent Flow にラベルを登録します。
ギアマーク>ドメイン設定をクリックします。
ドライブラベル設定 にて、「追加する」ボタンをクリックします。
使用するラベルの「選択」にチェックを入れ、インポートボタンをクリックします。
追加されたら「有効」のチェックを入れ、有効化してください。
3.モデルの設定(入力フォーム)
申請に必要な内容の入力フォーム用意します。この例では、最低限の内容を用意し、デフォルトレイアウトで作成しています。必要に応じて入力フォームの追加やモデルのデザイン変更を行ってください。
入力フォーム名毎に設定内容を説明します。
- 契約書
- 入力フォームは「添付ファイル」です。電子帳簿保存法として格納する書類を添付します。
- 顧客名
- 入力フォームは「単行テキスト」です。ラベル「取引先」の値として設定されます。
- 取引年月日
- 入力フォームは「日付」です。ラベル「取引年月日」の値として設定されます。
- 取引金額
- 入力フォームは「数値」です。ラベル「取引金額」の値として設定されます。
- 保存先
- 入力フォームは「ドライブ」です。添付された契約書を共有ドライブに格納した後に、文書へのリンクが表示されます。また、自動処理 ドライブラベルの適用のドライブ設定で使用します。
- 締結内容
- 入力フォームは「複数行テキスト」です。申請に関する付属内容を記載します。電子帳簿保存法に関する設定で必須の内容ではないので、無くても構いません。
4.モデルの設定(経路 自動処理)
申請画面の入力フォームが作成できましたら、Google ドライブに添付ファイルを格納する「自動処理 添付ファイルアップロード」と格納したファイルにラベルを適用する「自動処理 ドライブラベルの適用」を設定します。
この例では、「決裁(文書保存)」という経路の「登録」ボタンに設定を行っています。
4.1. モデルの設定(自動処理 添付ファイルアップロード)
自動処理 添付ファイルアップロード の設定
自動処理の設定内容を、設定項目毎に説明します。
- 自動処理の名前
- わかりやすい名前としてください。変更しなくても構いませんし、明示的に電子帳簿保存法に関連した自動処理であるとした名前に変更していただいても構いません。
- タイトル
- ファイル名に電子帳簿保存法に対応した情報が含まれるようプレースホルダーを使ってリネームします。
- 設定例:${顧客名}_${取引年月日}_${取引金額}_契約書.pdf
- オーナー
- 共有ドライブにファイルを格納しますので、適切なユーザーを設定してください。
- クラウドコンシェルジュ 共有ドライブ設定の注意事項
- 添付ファイル項目名
- 添付ファイルを設定する入力フォームを指定します。この例では、「契約書」を指定しています。
- ドライブ項目名
- ドライブにアップロードしたファイルのリンクを表示する入力フォームを指定します。この例では、「保存先」を指定しています。
- 添付ファイルの格納先を指定します。今回は電子帳簿保存法用の共有ドライブを指定します。
詳しい設定については、こちらをご覧ください。
4.2. モデルの設定(自動処理 ドライブラベルの適用)
自動処理 ドライブラベルの適用 の設定
自動処理の設定内容を、設定項目毎に説明します。
- 自動処理の名前
- わかりやすい名前としてください。変更しなくても構いませんし、明示的に電子帳簿保存法に関連した自動処理であるとした名前に変更していただいても構いません。
- ドライブ項目名
- ラベルの適用を行うドライブを指定します。この例では「保存先」を設定しています。
- ラベル
- 「2.ラベルの準備(Gluegent Flow にラベル登録)」で連携したラベルを選択します。選択するとラベル内容が自動的に表示されますので、入力フォームの値をプレースホルダーで指定して下さい。
詳しい設定についてはこちらをご覧ください。
5. 検証
設定が完了したら、必ず動作検証を行ってください。検証で確認いただく内容としては、以下の3つです。
- 自動処理で指定した、電子帳簿保存法用に用意した共有ドライブに添付ファイルが格納されていること。
- 格納されたファイルについて、ファイル名に3つの情報(取引先名、取引金額、取引年月日)が入っていること。
- 格納されたファイルについて、ファイル名と同じ3つの情報がラベルとして適用されていること。
ご不明点等ございましたら、カスタマーサクセスまでご連絡下さい。